旧鎌倉図書館解体ストップのために② 旧鎌倉図書館見学会報告
2015年5月1日
図書館とともだち会報170号掲載
旧図書館は御成小学校の正門を入って右手に位置しています。
一般の市民にとって出入り自由な場所ではありませんし、通りからも建物の全体は見えません。
御成小学校に通う生徒と保護者、かつてこの建物の中にあったこどもの家を利用した人などを除けば、その存在すら気づきにくい建物です。
旧図書館の解体を止めるには、言葉で説明するだけでなく実際に見てもらうことが必要かつ有効と考えました。
昨年の12月4日、TOTOMOの会員を対象に見学会を実施し、これは保存・活用すべき建物であると私たちも確信できたからです。
そこで、緊急シンポジウムに引き続き、2月10日の午後に旧鎌倉図書館の見学会を開催しました。
シンポジウム当日に参加を呼びかけ、実施まで10日間しかありませんでしたが、94名の参加がありました。
予想を上回る参加人数のため、当初2回に分けて実施する予定を3回にし、1回の参加者も2班に分けて見学していただきました。
参加者は「外観も屋内もデザインが素敵」「思ったよりしっかりとした造りだ」「3層構造の書庫やホゾ組みの書架が興味深い」「畳敷きの婦人読書室が印象的」などの感想を口々に語られていました。
見学と並行して、NPOセンター鎌倉ではシンポジウムの映像をパソコンで流し、関連資料を置き、見学のあとに見ていただきながら見学者同士で交流できるようにしました。
その場に置いた見学ノートにも「初めて旧図書館に入りました。すばらしい、しっかりとした書架があり、ぜひ保存したいと思いました」
「旧図書館の存在を知らなかったので、こういった建物が鎌倉にあることがうれしいです」
「書庫部分を含め、今日はじめてゆっくり見せていただきました。構造は概ね健全で、耐震補強等も難しいことはなく、それほど嵩張らない費用で立派に改修できるだろうと思います」などの感想が寄せられました。
自分の目で見ていただくことで旧図書館の建造物としての価値を実感していただけたと思います。